エボラ出血熱の治療薬にタミフルが有効って本当!?
エボラ出血熱が西アフリカを中心に猛威を振るっていますが、これまで感染が確認されなかったヨーロッパやアメリカでも感染が確認されるようになってきました。
現在のところ、エボラ出血熱に対するワクチンや有効な医薬品がない状況である中、
インフルエンザの薬として知られるタミフルがエボラ出血熱に有効だという噂が飛び回っています。
そこで本当にタミフルがエボラ出血熱に有効なのかを調べてみました。
タミフルはエボラ出血熱に効きません!
結論から言います。
タミフルはエボラ出血熱に対して効果を発揮しません。
現在、エボラ出血熱に対して有効なワクチンや医薬品はありません。
そのため痛みの緩和や脱水症状の対症療法もしくは播種性血管内凝固症候群(DIC)に対する抗凝固薬等を用いるくらいしかありません。
なぜそのような噂が流れたのか?
なぜ、インフルエンザの治療薬として知られるタミフルがエボラ出血熱に対して効果があるという話がでたのでしょう?
それは、同じインフルエンザの治療薬と知られるアビガン(一般名:ファビピラビル)が現在、エボラ出血熱の治療薬として有望視されているからです。
実際に10月5日のニュースで、アビガンの使用例が報告されています。
西アフリカのリベリアでエボラ出血熱に感染したものの、富士フイルムホールディングス傘下の富山化学工業が開発したインフルエンザ治療薬「ファビピラビル(商品名アビガン)」をフランスで投与されていた仏人看護師が治癒していたことが分かった。トゥーレーヌ仏保健相が4日、声明を出し「治療は成功し退院した」と発表した。
出典 http://www.msn.com/
何度も言いますが、タミフルはエボラ出血熱に対して効果を発揮しません。
では、なぜ同じインフルエンザの治療薬であるアビガンは効果を発揮するのでしょうか?
アビガンはウイルスの増殖そのものを抑制するから
タミフルを始めインフルエンザの治療薬は、増殖したウイルスを細胞外に放出できないようにして感染拡大を防ぎますが、アビガンは細胞内での遺伝子複製を阻害し、増殖そのものを阻止します。
これらの特徴からインフルエンザウイルスにとどまらず全てのウイルスに対して効果があるのではとWHOが期待しています。
しかし、アビガンにも弱点があります。
それは妊婦に投与できないということと、男女とも服用から7日間は避妊を行う必要があるということです。
また、アビガンは未承認薬のため効果や副作用の面で未知数です。
しかし、エボラ出血熱に対しての一つの可能性として今後の動向に注目していきたいですね!
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